たるみを改善するうえで筋肉へのアプローチのほかに欠かせないのが、顔の「リガメント(靱帯)」のケア。リガメントとは聞き慣れない言葉だと思いますが、実は顔のたるみに大きくかかわっているものです。その役割から具体的なケア法までを詳しくご紹介します。
リガメントとは?
リガメントとは靱帯のことで、貝柱のような細いひも状の繊維組織です。リガメントには顔表面の皮膚や表情筋を骨にしっかりとつなぎ、脂肪を支える役割があります。顔のたるみをベルトのように押さえてくれている重要な組織です。
リガメントは加齢やストレス、食いしばり癖などさまざまな要因で劣化していってしまいます。リガメントが劣化すると硬く細くなって皮膚や脂肪を支えきれなくなり、顔がなだれを起こすようにたるんでしまい、顔が大きくなる原因にもなります。
顔の皮膚や脂肪を支える顔のリガメント。顔の骨と表情筋や皮膚をつなぐ貝柱のような繊維状の組織で、流動性のある脂肪を支えて落下をくい止め、たるみを防いでいます
若い頃はリガメントがピンと張り、貝柱のように顔の皮膚や脂肪と骨をつなぎ、落ちないようにしっかり支えているため、肌にハリがあります
加齢などでリガメントが衰えると、硬くなったり、伸びて緩んでしまい、皮膚や脂肪を支えきれずに〝なだれ〞を起こし、たるんでしまいます。
リガメントのケアで顔のたるみを防ごう
おもなリガメントは顔の5カ所にありますが、自分で簡単にケアができ、それによりリガメントの再生が促され、たるんでいた皮膚や筋肉が引き上がりやすくなります。
5つのリガメントごとにフェイスラインや目元、口元などケアすると引き上がるパーツが異なるので、悩みに合わせて行いましょう。
5つのリガメントの場所
耳下腺(じかせん)リガメント
耳の横にあり、フェイスラインを引き上げているのが耳下腺リガメント。
このリガメントが衰えると、フェイスラインがたるんだり、顔が大きくなったり、二重あごの原因にもなります。
眼窩下(がんかした)リガメント
目の下の骨のきわあたりにあるのが眼窩下リガメント。
目を引き上げる役割があるので、このリガメントが衰えると目の下がたるんでしまううえ、目元が"なだれ"を起こし、目が小さく見える原因にもなります。
頰骨(きょうこつ)リガメント
頰を引き上げているのが頰骨リガメント。
このリガメントが衰えると、頰の皮膚や脂肪がなだれを起こしてたるみ、ブルドッグフェイスに。顔幅も大きくなってしまいます。
咬筋(こうきん)リガメント
耳下腺リガメントの前の嚙み合わせの部分あたりにあるのが咬筋リガメント。
このリガメントが衰えると、ほうれい線が目立つうえ、口角もたるみます。食いしばり癖があると劣化しがちです。
下顎(かがく)リガメント
口角の斜め下あたりにあり、フェイスラインから首を引き上げているのが下顎リガメント。このリガメントが衰えると、ほうれい線が目立つようになったり、フェイスラインや首のたるみを招きます。
顔のリガメント(靭帯)をケアする方法
リガメントを再生するというと難しいイメージですが、やり方はごく簡単です。リガメントをケアすれば肌のハリ感もアップします。
衰えたリガメントを再生するには、まず自分の気になるパーツのリガメントを指で垂直に強めに押してよくほぐし、次に指でつまむだけ。これを習慣にすれば、硬く細くなっていたリガメントがよみがえって再生し、皮膚や脂肪が正しく支えられるようになるので顔が引き上がります。
また、リガメントは肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンと同じ成分の組織なので、リガメントをケアすればハリ感もアップし、顔が確実に若返ります。
このメソッドは、必ずオイルやクリームなどを塗って行いましょう。
つまむときは、手の親指と人差し指の側面でつまみましょう。目の下の眼窩下リガメントなど、皮膚が薄い部分は、人差し指を曲げずにつまめばOKです。
眼窩下リガメント
衰えると目をたるませるのが眼窩下リガメント。
ケアすれば、目の下や目尻のたるみが解消し、目がパッチリと大きく!
1.押す
左右の目の下の骨の縁に両手の人差し指と中指を当て、イタ気持ちいい程度の強さで垂直に1秒押します。これを3回。目の下の骨の縁に沿って指を移動させ同様に
2.つまむ
左右の目の下の骨の縁あたりを左右の親指と人差し指の側面でつまみ、次に離します。
これを6回繰り返しましょう。
耳下腺リガメント
耳の前のもみあげの下あたりにあるのが耳下腺リガメント(靭帯)。
ここをケアするとフェイスラインが引き上がり、二重あごも解消します。
1.押す 1秒x3回
左右の耳の前のもみあげの下あたりに両手の親指以外の4本の指を当て、イタ気持ちいい程度の強さで垂直に1秒押します。これを3回行います。
2.つまむ6回
次に、左右の耳の前のもみあげの下あたりを親指と人差し指の側面でつまみ、次に離します。これを6回行います。
頰骨リガメント
衰えるとブルドッグフェイスになりやすくなるのが頰骨リガメント。ケアをして再生すれば頰が上がり、引き締まった小顔になります。
1. 押す
頰骨の上に左右の手の人差し指と中指を当て、イタ気持ちいい程度の強さで垂直に1秒押します。これを3回。頰骨に沿ってまんべんなく同様に行いましょう。
2. つまむ
頰骨の上を左右の手の親指と人差し指の側面でつまみ、次に離します。
これを6回。頰骨に沿ってまんべんなく同様に行いましょう。
咬筋リガメント
嚙み合わせ部分にある咬筋リガメントをケアするとほうれい線が薄くなり、口角もアップ。食いしばり癖がある人は念入りに行いましょう。
1. 押す
耳下腺リガメントより前側の嚙み合わせのあるあたりに左右の親指以外の4本の指を当て、イタ気持ちいい程度の強さで垂直に1秒押します。これを3回繰り返します。
2. つまむ
1と同じ部分を、左右の手の親指と人差し指の側面でつまみ、次に離します。これを6回繰り返しましょう。
下顎リガメント
口角の斜め下あたりにあるのが下顎リガメント。ケアするとフェイスラインや首がリフトアップし、ほうれい線も目立ちにくくなります。
1. 押す
口角の斜め下あたりに左右の手の人差し指と中指を当て、イタ気持ちいい程度の強さで1秒押します。これを3回繰り返します。
2 .つまむ
次に、同じ部分を親指と人差し指の側面でつまみ、次に離します。これを6回繰り返しましょう。
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