5月7日あさイチでは皮下脂肪、内臓脂肪に続く第3の脂肪「異所性脂肪」が健康を脅かすことがわかり特集されました。
異所性脂肪とは、本来溜まるべき場所ではない臓器や筋肉に蓄積される脂肪のことをいい、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病につながる危険性が指摘されています。異所性脂肪の予防と撃退に効果的な運動や食事をご紹介します。
それぞれの脂肪の特徴
皮下脂肪
皮膚の下にある皮下組織につく脂肪のこと。体温を維持したり、エネルギーを貯蔵したり、外からの衝撃に対するクッションの役割を果たします。
内臓脂肪
おもに腸間膜に蓄積される脂肪です。内臓脂肪がたまるとお腹がポコッと出てきますが、その腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準の一つになっています。
異所性脂肪
皮下脂肪や内臓脂肪の脂肪組織に入りきらなくなった脂肪が本来たまるはずのない場所に蓄積されたものです。その場所とは、心臓や肝臓、膵臓といった臓器自体やその周囲、さらには筋肉(骨格筋)などです。
異所性脂肪の溜まり方
最初に皮下脂肪、次に内臓脂肪、そして最後に異所性脂肪という順番で蓄積されていくとされていますが、一方では内臓脂肪と並行して異所性脂肪が蓄積されていくという見解もあります。
糖や脂肪を摂取すると脂肪細胞が膨らんだり数が増えたりして蓄積されますが、異所性脂肪は脂肪細胞の中に入らずそのままダイレクトに臓器などについてしまいます。脂肪をため込みにくい人、太れないタイプの人などは脂肪細胞に蓄積することができにくいため、異所性脂肪として蓄積されてしまう危険性があります。
異所性脂肪が蓄積すると起こりやすい病気
・糖尿病
・がん
・心臓病
・認知症
異所性脂肪チェック
脂肪は太っている人ほどたまっているというイメージがありますが、異所性脂肪の場合は、太っていなくても、ため込んでしまっていることがあります。そこで、生活習慣や血液検査の結果から、異所性脂肪をため込んでいないかのチェックをしてみましょう。
脂肪がつきやすい生活習慣
・炭水化物や甘いものが好き
・油ものが好き
・1日8,000歩未満
・息が弾むような運動をしていない
血液検査の結果からチェック
・ALT 25IU/L以上
・中性脂肪 150mg/dl以上
異所性脂肪の撃退にお勧めの運動
体力がないと、異所性脂肪は、より早い段階で悪影響が出てきてしまいます。そこでお勧めする運動が、早歩きとゆっくり歩きを3分ごとに繰り返す「インターバル速歩」です。
インターバル速歩のポイント
最大体力(自分が体を動かしたときに使える限界の力)の70%程度の速さで歩くと、息が弾みややキツイと感じます。具体的には5分ほど歩くと動気がして、10分歩くと息が切れてくるスピードを目安とします。
この速度の早歩きを3分、普通の歩き方を3分。これを繰り返します。
これは続けて行わなくても大丈夫で、早歩きの部分が1週間にトータル60分になればOKです。
異所性脂肪がつきにくい食事術
異所性脂肪はカロリーを取り過ぎることはもちろん、糖や脂質などを過剰に摂取することでもついてしまいます。大切なのは、「バランスのよい食事」です。
そこで、脂肪がつかないメニューの開発や、食べ方の工夫の指導を行っている、京都医療センターのみなさんに、バランスよく食べる方法と、特製のカレーライスのレシピを教えていただきました。
バランスのよい量をとるための技「手ばかり法」
1食、お茶わん1杯(150g)に対して、どれくらいの食材を食べたらよいかを手のひらの大きさで覚えておく方法です。一度感覚を覚えておくと、毎日の食事のときにバランスが崩れていないかの目安になって便利です。
肉や魚などのたんぱく質
手のひらの大きさ・厚みと同じくらい。
野菜などの食物繊維
生野菜 両手に山盛り。
加熱した野菜 片手に山盛り。
果物
体に良いと思って食べ過ぎがちな果物も食べ過ぎは注意。脂肪になりやすい果糖という糖質が多いため、1食にこぶし1コ分までにとどめましょう。
例:オレンジ(1コ)、りんご(半分程度)
えのきごはん
食物繊維もたっぷりとれて、うまみもアップ。なのにカロリー20%オフのレシピです。
材料
・えのきだけ1袋(200g)
・米 3合
・水 3カップ
作り方
1.えのきだけは軸を落とし、米粒大に刻む。
2.米を研いで炊飯器の内釜に入れ、(1)を加えて、炊く。
「脂肪撃退」カレーライス
大きく切った具材で満足感アップ。ルーを使わないので、カロリーも30%オフ。
バランスがよく、脂肪がつきにくいカレーライスです。
材料・2人分
・鶏むね肉(皮なし) 120g
・かぼちゃ 1/10コ(100g)
・ごぼう 1/2本(80g)
・にんじん 1/3本(60g)
・カリフラワー 1/6コ(80g)
・たまねぎ 1/2コ(80g)
・オリーブ油 小さじ1
・カレー粉 大さじ1と1/2
・しょうゆ 大さじ1
・固形スープのもと(洋風)1/2コ
・水 3カップ
・粉寒天 大さじ1と1/2
・えのきごはん
作り方
1.具材は大きめの一口大に切る。たまねぎはみじん切り。
2.オリーブ油を入れたフライパンにたまねぎを入れ、弱火であめ色になるまで炒める。
3.(2)にカレー粉を入れ、香りが出たらしょうゆとウスターソースを入れ混ぜ合わせる。
4.(3)に一口大に切った具材を入れ、軽く火を通したら水、固形スープのもとを入れ中火で煮込む。
5.具材に火が通ったら、少量の熱湯に溶いた粉寒天を加え、とろみをつける。
6.えのきごはんにかける。
コメント